日本人にとって1945年8月15日の終戦が典型的なカイロスである。この日正午、天皇がラジオの録音放送で、日本がポツダム宣言を受諾し降伏した事実を、国民に告知した(玉音放送)。この放送の前と後とで、日本の歴史は断絶している。もっとも8月15日というカイロスは、日本政府が国内に向けて降伏の事実を伝えた日にすぎず、国際法的には何の意味を持たない。
寛永行幸は寛永3(1626)年9月にあった。 徳川幕府 が後水尾天皇を二条城に招き、5日間にわたってもてなした。朝廷方が二条城へ向かう際には総勢約9千人の行列だったとされる。幕府と朝廷の融和や平和な時代を物語る出来事だった。
『少年日本史』という本がある。1970年11月時事通信社から刊行された。その後、皇學館大学出版部から同名で、また1979年には講談社学術文庫の一冊として『物語日本史』と改題の上で刊行されたこの本の著者は平泉澄である。1895年2月生まれの平泉は、1970年11月当時ですでに75歳、「児孫への最後の贈物、つまり遺書」のつもりで書いたとは本人の弁である(講談社学術文庫版、上巻「序」、5頁)。平泉が没し ...
岩手県一戸町の南部に位置する奥中山は、奥中山高原として知られる地域である。この地には戦中・戦後の歴史と人々の営みが刻まれた地名が数多く残されている。地名の由来を手がかりに、奥中山の過去と現在を紐解く。長年にわたり県内の地名を調査してきた宍戸敦さんによ ...
大相撲九州場所(11月9日初日)の新番付が27日に発表された。先場所で唯一の青森県出身の幕内力士だった尊富士は十両に陥落したが、同じ青森出身の錦富士が再入幕を果たした。
世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」が、ことしで登録 10 年を迎えた。幕末から明治という激動の日本が西洋の技術を取り入れ、わずか 50 年余りで産業の近代化をどう成し遂げたのか。鉄、造船、炭鉱の足跡を示す建造物や遺跡を連ねる。
【読売新聞】茅 ( かや ) ヶ ( が ) 岳 ( だけ ) 歴史文化研究所・主任調査技師 佐野隆さん 狩猟や採取、縄文人の生活はさぞや厳しいものだっただろう、と思っていたが、どうやらそうでもないようだ。自然と共生し、仲間と支え合 ...
日本の戦争指導には、いわば政治家はほとんどと言っていいほど関与していなかった。つまり議会人は蚊帳の外に置かれていたのである。政治家の回顧録や回想記を読むと、その傍観者ぶりには驚かされる。実際、日本は軍事クーデターによって軍事指導部が政権を握り、戦争政 ...
岩手県北部に位置する一戸町には、「侍村」と「鳥越」という地名が存在する。これらの地名には、戦国時代の激動や人々の暮らし、そして自然との関わりが静かに刻まれている。地域に根差した歴史と地形に由来する地名の背景を探る。「侍村」という地名の由来について、長 ...
松江城 天守の国宝指定10周年を記念し、松江を開いた堀尾氏による出雲国支配の始まりと松江城築城の歴史を紹介する特別展「慶長の城―松江城築城とその時代―」が、松江歴史館( 松江市 殿町、0852・32・1607)で開かれている。