一つの地震について二つの発生確率が併記されるのは初めてで、地震の発生確率をめぐる科学の限界を示した形だ。各地の防災の現場には戸惑いの声もあるが、南海トラフ巨大地震の危険度が変わったわけではなく、調査委は「いつ起きてもおかしくない状況に変わりない」(平田直委員長)と強調している。幅のある数値に振り回されることなく、巨大地震の被害を少しでも減らすための警戒と備えが求められる。