『少年日本史』という本がある。1970年11月時事通信社から刊行された。その後、皇學館大学出版部から同名で、また1979年には講談社学術文庫の一冊として『物語日本史』と改題の上で刊行されたこの本の著者は平泉澄である。1895年2月生まれの平泉は、1970年11月当時ですでに75歳、「児孫への最後の贈物、つまり遺書」のつもりで書いたとは本人の弁である(講談社学術文庫版、上巻「序」、5頁)。平泉が没し ...
特定非営利活動法人映像産業振興機構(略称:VIPO[ヴィーポ]、理事長:松谷孝征、東京都中央区)は、国立映画アーカイブの「令和6年度アーカイブ中核拠点形成モデル事業」の一環として、「映画のまち調布 シネマフェスティバル2025」内で、映画資料の ...
万国博覧会(万博)は19世紀に欧米で始まった。その時代の最新技術や芸術が紹介され、国際ビジネスの舞台となった。本書は幕末から万博に参加した日本が外貨獲得のため茶を米欧に売り込み、「茶道」を世界に広めた歴史を描く。 日本は1867年パリ万博で ...
幕末から昭和にかけて日本史を彩った「茨城人」たちに光を当てる東京新聞茨城版の連載「近代茨城の肖像(ポートレート)」。茨城県立歴史館(水戸市)で2024年3月まで首席研究員を務め、現在は学習院大学史料館の客員研究員でもある石井裕・県近現代 ...
今日では、結核という病が話題になることは少ない。だが、戦前期や戦後初期には、結核は死因の第一位から三位を占める深刻な国民病だった。感染を広げないよう、発症した患者は隔離されることも多かった。一般社会から切り離され、死に向き合わ ...
上野の東京国立博物館・東洋館の常設展示室第3室には、≪パシェリエンプタハのミイラ≫(第22王朝・前945~前730年頃、エジプト、テーベ出土)が展示されている。来館者の多くが、日本にもエジプトのミイラがあるのか、とまず驚き、その後でなぜ「東洋 ...
人間の内面の奥深くに迫る日本の近代文学は、明治半ばから後半に誕生しました。ここでは日本近代文学の歴史を、時代を代表する一冊とともに“ざっくり”ご紹介します。 参考:『名著入門』平田オリザ/著朝日新書 【明治初期】森鷗外、樋口一葉 ...
盛況を博す大阪・関西万博で、古代ローマ時代やルネサンス期の美術作品を展示するイタリア館がひときわ注目を集めている。この人気ぶりを、専門家はどう見ているのか。西洋美術史を研究する学習院大学の京谷啓徳教授に、イタリア美術、ルネサンス ...
経済史の学術書といえば、門外漢には数値・数式・図表ばかり、複雑難解・無味乾燥と感じることも少なくない。そんな中で、著者の描き出す企業経営史は、あくまで人間の歴史にある。固有個別の人名を特筆し生涯を跡づけ、その個性をさぐり事業を精細 ...