近年、ゲーム理論の中でも特に注目を集めているのが、メカニズムデザインやマーケットデザインと呼ばれる分野です。ゲーム理論を用いて望ましい制度やルールを設計し、社会や経済の中で問題を解決しようとする研究領域です。この分野で多大な貢献をした研究者たちは、相 ...
2025年のノーベル経済学賞は、米ノースウエスタン大学のジョエル・モキイア教授と仏コレージュ・ド・フランスのフィリップ・アギヨン教授、米ブラウン大学のピーター・ホーウィット教授に決まった。3氏の研究意義や低成長の日本が学ぶべきことを解説する。
前回紹介したマーケットデザインは、ゲーム理論の成果を現実の制度設計に応用する分野です。今回はその分野での中核的なテーマの一つであるオークションを紹介します。オークションは、ゲーム理論の成果を活用して、買い手の評価額をうまく引き出し、社会的に効率的な資 ...
2023年5月にGX推進法が可決され、2023年から排出量取引制度(GX-ETS)のフェーズ1、2026年からGX-ETSのフェーズ2、そして2028年からは炭素賦課金が導入されることが決まった。これにより、日本でも本格的にカーボンプライシングが導入されることになった。 現在、経済産業省はGX-ETSの強化を目指してフェーズ2の制度設計を議論しているところである。講師も委員として参画しており、本講 ...
つまり、会社から「みなさんが断らないかぎりこの制度に加入してもらいます」と伝えるようにすれば、老後に備えた貯蓄はほとんどの人がやっている適切な選択だという考え方が伝わる。しかし、従業員の側に加入する負担をかけると、貯蓄が必ずしもやらなくてもいい行動、 ...
2026年、アメリカ合衆国は建国の礎となった文書「独立宣言」が採択されて250周年を迎える。しかしもう一つ、26年に250周年を迎える文書がある。それは我々が経済学を理解するための礎であるアダム・スミスの『国富論』だ。経済改革や構造改革が急速に進む今 ...
高市早苗首相の経済政策「サナエノミクス」がフォーカスされる一方、年金や医療、介護保険などの社会保障制度を見直す「国民会議」にも注目すべきだ。現行制度は、基本的に人口増加を前提に設計し運営している。この前提が狂い始めているため、可能な限り公平に、持続可能な制度へ変革しなければいけない。痛みを伴う改革でカギを握るのが、消費税率の引き上げだ。
経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)は、「第7回カーボンリサイクル産学官国際会議2025」を2025年10月10日(金)に開催しましたので、その様子をご報告します。
左派、右派、中道の経済学者たちの主張を信じるなら、連邦準備制度理事会(FRB)は経済成長に関する言わば青信号か赤信号なのだ。左派では、将来のFRB議長ベン・バーナンキ氏は1930年代について「我々がやったのだ」と有名に発言した。つまりFRBが ...
ノーベル経済学賞や経済学全般に詳しい政策研究大学院大学の安田洋祐教授によると、「アギヨン─ホーウィットモデルの面白さは、イノベーションの源泉であるR&D(研究開発)投資が過大にも過少にもなりうることを自然な形で表現できる点にある。例えば先行するローマ ...
国の「高等教育の修学支援新制度」(国の奨学金)の受給対象者であっても、この奨学金と併給できることにしており、第Ⅱ区分該当者には年額25万円。第Ⅲ区分、第Ⅳ区分該当者には年額50万円を支給することにしています(第Ⅰ区分との併給は不可)。国の奨学金を得ら ...